今井雅人 不安再燃、金融市場になお3つの爆弾
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2008年05月13日(Tue)
今井雅人 不安再燃、金融市場になお3つの爆弾
ゴールデンウィーク(GW)中は安定していた世界の金融市場が、GW明けから再び不安定な状態に入ってきている。きっかけは先週7日、米証券取引委員会(SEC)が年内に投資銀行に対して、資本と流動性の状況を開示することを義務付けると明らかにしたことだった。4月に実施された7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、今後100日間に各民間金融機関に情報開示などをさらに透明化するように指導していく方向性で合意した。いわゆる100日ルールである。今回のSECの方針もこうした全体感の中での対策だろう。
ちょうど、その翌日の8日に米大手保険会社アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の決算が発表になった。結果は78億ドルの損失。これを受けてAIGは125億ドルの増資が必要だと発表した。こうしたニュースが偶然重なったことで、忘れかけていた(あるいは忘れようとしていた)不安がよみがえってきてしまったわけである。 そもそも、ここまで金融市場が安定しても、決して土台は盤石ではなかった。それは3つの不安材料が依然として残っていることが原因である。 (1)各金融機関は時価で保有のサブプライムローン担保証券を評価しているが、この評価レートが本当に実勢を反映しているものかという点への疑問が残っている点。こうした証券は相対取引であるため、実際に取引が成立されないと参考価格すらもわからない。つまり、実際の値段ではなく、自分たちでこの程度であろうと決めた評価レートで時価評価しているものがほとんどだという点である。従って、実態は損失がさらに拡大している可能性が残されているという不安感がどうしても付きまとってしまう。 (2)米国の住宅価格下落はより鮮明となっており、またサブプライムローンを含めた住宅ローンの延滞率も上昇を続けている。こうした状況が続いた場合、サブプライムローン担保証券の価格はまだ下落することになる。そうなれば、依然として住宅ローン担保証券を保有している金融機関の損失は必然的に増えてしまうことになる。 (3)最近の金融機関の決算を見てみると、サブプライムローン関連損失の中にクレジットカード、自動車ローン、通常の住宅ローンなどによる損失も計上されている。つまり、こうした損失は経済全体が減速していけばさらに拡大する可能性がある。 このような爆弾をまだ抱えているので、いったん金融市場が落ち着いても、また、何か新たな悪材料がでてくると不安心理を駆り立ててしまう。 今年はこうした安定、不安定を繰り返しながら、徐々に収束に向かっていくという展開になってくるのではないかと考えている。 ただ、以前よりは市場の耐久力がついてきているので、激しいパニックは起きないだろう。ドル円も当面1ドル=100―105円程度でもみ合うのではないだろうか。 |
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