今井雅人氏、今週が春先最大の山場
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2008年04月15日(Tue)
今井雅人氏、今週が春先最大の山場
先週末の11日、7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議がワシントンで開催された。今回のG7では、声明文の中に「主要通貨において時として急激な変動があり、経済や金融の安定へ与えうる影響について懸念している」と明記した。2004年2月のG7で「過度の変動や無秩序な動きは望ましくない」とした文言を4年ぶりに変更したわけである。また、「懸念」という表現を使ったのは前日にユーロ買い介入を実施した00年9月のプラハG7以来となる。 今回のG7会議の前にはユーロ圏の政治家からユーロ高に関する懸念が相次いで表明されており、声明文の文言の変更は明らかにユーロ圏サイドからの要望に配慮したものである。表現が変わったことは1つのメッセージと評価する専門家も一部あったが、一方でこうした表現に終わってしまったという落胆の声も聞こえてくる。本当に強調したいのであれば、「主要通貨において時として急激な変動があり」などという中途半端な表現ではなく、ドル安が問題なのか、ユーロ高が問題なのかもっと明確に表現できたはずである。しかし、実際は、特定の通貨に対する直接的な言及を避けているところに弱さがでている。こうした表現になったことでG7が一枚岩になっていないのではないかという印象をかえって市場関係者に与えてしまったということだろう。 フランスのラガルド経済財務雇用相は「G7の文言の中に懸念という表現が入ったことは非常に大きな意味を持っている。市場はまだこれを評価できていない」とやや負け惜しみともとれる発言をしている。G7での声明を受けて、ユーロが下落しなかったのがよほど悔しいのだろう。ラガルド経済財務雇用相の主張もむなしく、G7はこれで材料としては忘れ去られてしまうだろう。 ただし、今回の声明文の変更により、今後市場が大きく動いたときには各国の中央銀行による協調介入の体制が整ったということだけは頭の片隅に入れておきたい。 さて、G7が終わり、これからはいよいよ米金融機関の決算発表に移る。本日15日はベアー・スターンズ、ワシントン・ミューチュアル、ウェルズ・ファーゴ、16日にはJPモルガン・チェース、17日メリルリンチ、18日シティグループ、21日バンク・オブ・アメリカと大手金融機関の決算発表が相次いで行われる。 最近の決算発表時の反応を見ていると、予想より悪い結果となっていたとしても、それにタイミングを合わせて資本増強を発表するという戦略をとっている金融機関が多い。また、資本増強のほうを好感して株価が上昇するという反応がしばしば起きている。先日のUBSの決算発表のときもそうだった。今回も資本増強策を既に手元に持ちながら、決算発表とセットで明らかにするという戦略を取る銀行がでてくる可能性は十分にある。 現在欧米の金融機関は12月決算が大半であるが、最近は11月決算の金融機関も増えてきている。各金融機関は四半期に1度決算を発表しているので、3月、4月、6月、7月、9月、10月、12月、1月に決算発表が集中する傾向がある。今回の4月の決算発表後次の6月の決算発表までの2カ月間は谷間の時期となってくる。そのため、今回の決算をうまく乗り切れば、金融市場は2カ月ほど材料難で落ち着いてくる可能性が高まってくる。 今週が春先の最大の山場となってくるのではないかと考える。
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